欧州CL:セルティック1−0マンチェスターU
◇F組◇21日◇英国・グラスゴー
「ナカムラ」が世界のスーパースターの仲間入りを果たした。セルティックMF中村俊輔(28)が約28メートルの芸術的なFKを直接ゴールに決めて、強豪マンチェスターUを1−0で撃破。日本人初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント進出を決めた。チームも初の1次リーグ突破で、欧州のサッカー界は「ナカムラ・マジック」「ベッカムのよう」と絶賛。中村が一夜にして本場のヒーローになった。
中村の左足が「日本人の壁」も破った。マンチェスターU撃破から一夜明けた22日朝、欧州各紙には「NAKAMURA」の文字が躍った。「ナカムラのKO勝ち」(英サン紙)「ナカムラ・マジック」(伊コリエレ・デロ・スポルト紙)。いつもは母国のスーパースターでにぎわう欧州CLのトップ記事が、日本人に占拠された。
たった1発のFKで中村は歴史を変えた。0−0で迎えた後半36分、ゴールまで28メートルの距離から直接ゴール右上を狙った。2枚の壁の間を抜けたボールは、名手ファンデルサールの左手の先をすり抜けた。プロ通算30点目となる直接FKゴールは、世界の一流選手が集う欧州の強豪マンチェスターUを粉砕。同時に日本人初、クラブ初の決勝トーナメント進出の道を切り開いた。
「まるでマンチェスターUが欧州制覇した時のベッカムのようだ。ナカムラはベッカムと同じ能力を持っている。世界最高峰のFKキッカーなんだ」。ストラカン監督は、98−99シーズン決勝のバイエルン戦で、2本のCKで大逆転劇を演出したスーパースターと中村を並べて評価した。レノン主将も「神から授かった才能を持っている」と絶賛した。
本場のうるさい専門家もうならせた。解説者で元イングランド代表監督のデビッド・プリート氏が言う。「パーフェクトだ。あんなFKを蹴られたら、だれも止めようがない」。ストラカン監督は「これで中村は一生分のお金を稼いだんじゃないか。スポンサーが大挙してくるだろう」と冗談めかした。中村の左足が本場でも「一流プロ」として認知された。
決勝トーナメント進出は日本人の夢でもあった。中村は自分の左足でその目標をクリアするとともに、一気に世界のスター選手の仲間入りをした。欧州で評価されるには、一芸に秀でることが絶対条件。ベッカムのFKしかり、この日対戦したマンチェスターUならC・ロナウドのドリブル、ルーニーの決定力など。そんなスター軍団を脇に置いて、中村が大一番で主役としての強い輝きを放った。
欧州へ移籍後「東洋のバッジオ」「東洋のベッカム」と例えられてきた男は、欧州最高峰の舞台で「ナカムラ」として歴史に名前を残した。どこにも「東洋の−」という表現はなかった。一瞬にして勝負を決める中村のFKは、ストラカン監督の言葉を借りるなら「本家」ベッカムを超えた。欧州に中村の時代がやってくる。
日刊スポーツ
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